萎縮性腟炎について
□萎縮性腟炎とは?
萎縮性腟炎は、閉経した女性のおよそ4割以上がかかっているとされる疾患です。
腟や外陰部などに関する不快な症状は、昔から多くの女性が感じていたはずです。
しかし日本では、年齢を重ねた女性のデリケートゾーンのお悩みは極めてプライベートなもので、
誰にも相談できない話題のため、治療はおろか病院へ相談することもできずひとりで長年抱え込んでしまう傾向にあります。
□萎縮性腟炎の主な原因
萎縮性腟炎の主な原因は、エストロゲンの分泌量が著しく減少することです。
本来、エストロゲンには以下のような作用があります。
- ●腟内を湿潤に保つ
- ●卵子を成熟させる
- ●腟や外陰部の皮膚を正常に保つ
- ●子宮内膜を厚くする
- ●コラーゲン産生を促進する
- ●自律神経の働きを安定させる
このエストロゲンの分泌量が減少すると腟内が乾燥して腟や子宮内膜が薄くペラペラの状態になります。
腟のpHを保つ乳酸桿菌も減少してしまうため、腟内がアルカリ性に傾き自浄作用が弱まってしまいます。
□萎縮性腟炎の発症メカニズム
- ●エストロゲンの分泌量が減少し、腟壁のコラーゲンが減少して腟の萎縮が始まる
- ●腟粘膜が傷つきやすくなり、雑菌が繁殖しやすい環境になることで傷ついた粘膜に雑菌が繁殖して炎症が起きる
また、乾燥しやすくなった腟内は、歩いて擦れるだけでも傷つき炎症を起こします。
傷ついた箇所に雑菌が繁殖することと、乳酸桿菌の減少による自浄作用の低下が重なると、症状がさらに悪化してしまう可能性もあります。
また、若い女性の場合以下に当てはまる方は、萎縮性腟炎を発症する恐れがあるので注意しましょう。
- ●生理不順
- ●喫煙
- ●女性ホルモンを抑制する薬剤の使用
- ●産後長期にわたって授乳した
- ●卵巣摘出手術を受けた
- ●がん治療を受けた
病気で卵巣を摘出したり、長期間授乳したりすることで生理がストップしてしまうと、エストロ ゲンの分泌量が低下してしまいます。
また、喫煙は年齢に関わらず卵巣への血流障害を引き起こし、萎縮性腟炎の原因となります。