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腟萎縮とは?放置しないことの重要性やクリニックで受けられる治療

腟萎縮治療はクリニックで

「子どもの手が離れたので久しぶりに夫婦生活を再開したところ、出血してしまった」「腟が乾燥してかゆみや痛みを感じる」など、閉経する頃になると女性は今まで気にならなかったデリケートゾーンの変化を感じるようになります。

この記事では、腟萎縮の詳細や放置しないことの重要性、クリニックで受けられる治療についてご紹介します。腟の不快な症状にお悩みの方やクリニックの受診をためらっている方は、ぜひ参考になさってください。

腟萎縮とは

腟萎縮とは

デリケートゾーンの異変を感じたとき、慌ててクリニックを受診する方もいれば、婦人科で性交痛の相談をするのは恥ずかしいから、とそのままにしてしまう方がいます。

対処の仕方は違いますが、両者に共通しているのは腟が萎縮して変化してしまう事実を知らないということです。

腟萎縮は腟の老化によって起こる

腟萎縮は、年齢によるエストロゲンの分泌減少により腟そのものが老化し、環境が変化していくことで起こります。弾力がなくなってペラペラの状態になった腟壁は、傷つきやすく炎症を起こしやすい状態です。

潤いがなくなると腟内の細菌構造にも変化が起こり、腟の酸性を保っていた乳酸桿菌が減少するため、腟内が酸性からアルカリ性に傾き、自浄作用も弱まってしまいます。その結果、さまざまなデリケートゾーンの不快な症状が現れるのです。

腟萎縮は女性なら誰しも起こり得ることです。とくに35歳からはエストロゲンの分泌量が徐々に減少しはじめ、その後は坂を転がるように急降下してしまいます。

ある程度の変化は女性である以上避けられませんが、症状が進行し過ぎてしまうと、大掛かりな治療が必要になることもあるため、若いうちから正しい知識を身につけておくことをおすすめします。

腟萎縮の自覚症状

以下は腟萎縮の自覚症状です。

  • 腟の乾燥
  • 性交痛
  • かゆみ
  • 痛み
  • おりものの色やにおい、量の異常
  • 性交時や性交後の出血
  • 排尿痛
  • 頻尿や膀胱炎
  • 尿漏れ

腟萎縮による不快な症状の中でも大きいのは性交痛やかゆみなどです。これらは、血流が低下したことで腟内が乾燥し、分泌液も減ることから引き起こされます。

さらに、腟粘膜のコラーゲンも減少し腟のヒダが薄くなるため、性交時や性交後に痛みや出血が生じることも。加えて尿漏れなどの排尿障害が起こってしまうと、出かけたり人に会ったりすることすらおっくうになり、QOLが著しく低下する原因になってしまうのです。

また、腟が乾燥・萎縮して雑菌が繁殖しやすい状態が続くと、炎症が起こって腟炎も起こります。かゆみや黄色いおりもの、においなどの症状を伴う場合は、萎縮性腟炎を発症している恐れもあるので注意が必要です。

腟萎縮は放置しないことが重要

腟萎縮は主に閉経後の女性に多くみられますが、月経不順や産後の長期授乳、喫煙、女性ホルモンを抑制する薬を服用している場合などは年齢が若くても起こることがあります。他にも、卵巣摘出術やがん治療を受けた後も、年齢に関係なく腟萎縮が起こるリスクが高いです。

腟萎縮は性生活に暗い影を落とすだけでなく、放置すると妊娠に影響を与えたり、GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)や繰り返す膀胱炎などの原因になったりします。

令和2年の日本人女性の平均寿命は87.74歳です。閉経の平均年齢を50歳頃とすると、その後の40年弱をエストロゲンの恵みを受けずに過ごさなければなりません。それだけの長い期間、人には相談できない悩みと身体の不調を抱えていくのは、相当つらいことでしょう。

腟萎縮は早めに治療を開始すれば、その分改善までの時間も短くなります。「デリケートゾーンの不快な症状は年齢によるものだから仕方ない」と諦めず、気になる症状があるときは早めにクリニックを受診しましょう。

クリニックで受けられる腟萎縮治療とは

クリニックで受けられる腟萎縮治療

腟萎縮に伴うさまざまな不快な症状を「歳のせいだから仕方ない」と諦めていたのはもう昔のこと。今は婦人科や泌尿器科、ウロギネ(泌尿器科と産婦人科の境界領域にある疾患を治療する診療科)クリニックなどで治療が受けられます。

以下は、クリニックで受けられる腟萎縮治療です。

  • 薬物療法
  • 非ホルモン療法
  • モナリザタッチ
  • インティマレーザー
  • yoniHIFU など

一般的には、内服薬などによる全身ホルモン補充療法や腟剤による局所エストロゲン療法などの薬物療法、潤滑剤・補水療法などの非ホルモン療法を行います。

1〜2週間ほどで症状の改善が見込めますが、時間の経過とともに症状が再発する恐れもあるので、再度治療を受ける必要が出てくるかもしれません。

また、モナリザタッチやインティマレーザー、yoniHIFUなど自由診療の治療も選択肢のひとつです。とくにホルモン補充療法の副作用に抵抗がある方や、基礎疾患によってホルモン補充療法が受けられない方におすすめできます。

モナリザタッチは、炭酸ガスレーザーを腟粘膜に照射することで代謝機能を高める腟のアンチエイジング療法、インティマレーザーはエルビウムヤグレーザーを照射することで、萎縮した腟を正常な状態に近づけることができるレーザー治療です。

yoniHIFUは、近年美容施術としても人気のHIFU(高密度焦点式超音波)を腟に当てていく治療です。腟壁にHIFUを照射することでコラーゲンが増生され、腟萎縮の改善が期待できます。

yoniHIFU

腟萎縮の治療には他にもさまざまな選択肢がありますが、症状や原因などによって最適なものを選ぶ必要があるため、気になる症状があるときは早めにクリニックを受診しましょう。

まとめ

腟萎縮の詳細や放置しないことの重要性、クリニックで受けられる治療についてご紹介しました。

腟萎縮は、年齢を重ねるとともに女性ホルモンが低下することにより、腟の潤いや弾力が失われて乾燥することで起こります。

女性であれば誰でも起こる可能性がありますが、何もせずにそのまま放置していると腟萎縮はますます進行し、QOLを低下させる要因になるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。

デリケートゾーンになんらかの症状がある方は、ぜひ本記事を参考にクリニックを受診してみてくださいね。

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