腟の乾燥感やかゆみ、痛みなど人には話しにくい身体のお悩みはありませんか？

ここ数年、女性特有の健康問題をテクノロジーで解決できるサービスや商品などを指す「フェムテック」など、これまでの常識を覆すようなムーブメントが起きています。

しかし実際のところ、年齢のせいだから仕方ないと思っている方も多く、デリケートゾーンに不快な症状があってもクリニックを受診することはおろか、人に話すことすらできない方もいるようです。

また、そのような問題に対してクリニックではどんな治療を行っているのか知らないことも、受診につながらない要因のひとつだと考えられます。

そこでこの記事では、年齢に伴う腟萎縮の治療法についてご紹介します。デリケートゾーンの不快な症状でお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。

腟萎縮とは

そもそも、腟が老化することすら知らない方も多いですが、腟周りも顔や体の皮膚と同じようにたるんだり乾燥したりします。

腟内は、若いときは女性ホルモン（エストロゲン）の働きによって十分な潤いがあり、ふっくらとした弾力が保たれているため、性行為や出産もスムーズに行うことが可能です。また、乳酸桿菌の力によって腟内は酸性を保っており、自浄作用が働いて外部から雑菌が入り込むのを防いでいます。

しかし年齢を重ねていくと、徐々に女性ホルモンの分泌量が低下し、腟の潤いや弾力が失われて乾燥し、硬くなってしまうのです。この現象を「腟萎縮」といいます。

腟萎縮の具体的な症状は、腟の乾燥感やかゆみ、痛み、性交痛、出血、腟炎などさまざまです。主に閉経頃からこれらの症状が出てくるケースが多いですが、最近では若くても腟萎縮が起こる可能性もあるため、年齢に関係なく注意しましょう。

腟萎縮に対する治療法

「デリケートゾーンが乾燥して痛みやかゆみがある」「久しぶりに性行為をしたら、痛くてできなかった」「座るだけでも腟の入り口がヒリヒリする」などの症状がある場合、腟が萎縮しはじめているかもしれません。

腟萎縮治療は、婦人科や泌尿器科クリニック、ウロギネ外来などで行っていますが、実際にどんな治療法があるのかご存知ですか？ここでは、婦人科で行われている腟萎縮に対する一般的な治療法をご紹介します。

全身ホルモン補充療法

腟萎縮治療は、症状によってさまざまな薬が用いられますが、明らかに女性ホルモンの減少による不快な症状が強い場合には、全身ホルモン補充療法（HRT）が選択されます。

全身ホルモン補充療法で用いられる薬には、経口剤や腟剤、湿布などいくつかの選択肢があるため、患者さんの年齢や症状などに応じて最適な薬を最適な方法で投与します。

局所エストロゲン療法

局所エストロゲン療法とは、エストロゲンクリームや腟剤、腟リングによってエストロゲンを局所的に投与する治療法です。

ホットフラッシュなどの症状を伴う場合はエストロゲンの全身投与が検討されますが、性交痛が主な症状であれば、エストロゲン活性が比較的低いエストロゲン局所投与でも同等の効果が得られるほか、不正出血などの副作用も少ないため局所投与が選択されます。

非ホルモン療法

女性ホルモンの投与を行わない非ホルモン療法では、普段のお手入れとして使える保湿剤や潤滑剤を処方するのが一般的です。

しかし、腟萎縮がみられるときは保湿剤や潤滑剤では不十分なこともあります。そのような場合、腟レーザーや腟ハイフなど腟のアンチエイジングができる最新の治療がおすすめです。

ただし、どの医療機関でも受けられるわけではないので、実施可能なクリニックを探して受診するようにしましょう。

腟レーザー

腟レーザーとは、医療用のマシンで腟内にレーザーを照射して腟粘膜を引き締めたり、コラーゲンを増生したりする治療です。メスを使用しないので、痛みも少なくダウンタイムも短くて済みます。

腟レーザーには複数の種類がありますが、ここではその中でも代表的なものをご紹介します。

【モナリザタッチ】

モナリザタッチは、腟萎縮による腟内の変化と不快な症状を緩和するためのフラクショナル炭酸ガスレーザー治療です。顔のしわやたるみ治療に用いられる技術を応用し、数分間腟内にレーザーを照射することで、腟粘膜の代謝能力を高めて組織を修復します。

以下は、モナリザタッチの特徴です。

• 痛みがほとんどない
• 施術時間が5〜10分と短い
• 施術後すぐに日常生活に戻れる
• 当日からシャワーOK（入浴は3日後から）
• 施術後の性行為は3日後から
• 副作用がほとんどない
• 1回でも効果を感じられる
• 定期的な施術で効果が延びる

モナリザタッチは、弾力がなくペラペラになってしまった腟壁を、ふっくらと厚みがあり潤いのある組織へと若返らせます。

その結果、つらい性交痛や萎縮性腟炎、尿漏れ予防など幅広い効果が期待できるうえ、高血圧や乳がん、子宮がんなどの既往歴がある方も受けられる点も嬉しいポイントです。

モナリザタッチは、1回の治療で腟の不快な症状を平均で約50％改善します。1ヶ月ごとに1〜3回など複数回の治療を受けると、さらに改善率がアップ。排尿障害にも効果が期待できることがわかっています。

【インティマレーザー】

インティマレーザーは、メスや注射などを一切使用せずに腟の引き締め治療ができるレーザー治療です。腟萎縮に伴うかゆみや痛み、性交時の腟の密着感の低下、尿漏れなど女性のQOLを低下させるさまざまな症状に効果を発揮します。

以下は、インティマレーザーの特徴です。

• 痛みがほとんどない
• 施術時間は約15〜20分
• 施術後すぐに日常生活に戻れる
• 施術後おりものが増えることもある
• 施術後の性行為は3日後から
• 1回の治療で50〜70％程度効果が感じられる（回復する）
• 定期的な施術が必要

インティマレーザーは、ヨーロッパで唯一の承認取得済みのレーザー機器です。250msの超ロングパルスのエルビウムヤグレーザーを、腟内部の奥から腟開口部、小陰唇にまで照射します。

これにより組織内のコラーゲン線維を増生し、コラーゲンの密度が増えることで出産や加齢によって老化した腟の若返りや引き締め、乾燥の改善効果が期待できるのです。

インティマレーザーもモナリザタッチと同様、性行為やタンポンなど腟内に何かを挿入する行為は3日間程度控える必要がありますが、痛みがほとんどなく施術後すぐに日常生活に戻れます。

ただし、施術後一時的におりものが増えることもあるので、生理用ナプキンかおりものシートなどを用意しておくとよいでしょう。

腟ハイフ

腟ハイフとは、レンズを使用して光を1点に集めることでエネルギーを作り出し、超音波を発生させて腟粘膜の表面を傷つけずにコラーゲンの増生を促進する治療です。

腟レーザーと比べて組織の深いところ（SMAS筋層）まで熱を与えられるため、効率的に腟を引き締めて弾力性を高めます。

腟ハイフにもいくつか種類がありますが、その中でも「yoniHIFU」はとくに効果が得やすいハイフマシンだといわれています。

以下は、yoniHIFUの特徴です。

• 照射口が面になっているため確実に効果を実感できる
• 施術時間は約20分
• 施術者の技術による仕上がりの差が出にくい
• 痛みは我慢できる範囲
• 施術後すぐに日常生活に戻れる
• 1回の施術でも効果が期待できる
• 効果は1年程度持続
• 施術当日からシャワーが可能
• 施術後の性行為は3日後から

yoniHIFUの施術では、照射直後から超音波エネルギーによって粘膜内のコラーゲン線維に変性が起き、時間とともに増生します。その結果、腟内がふっくらとした状態になり、腟の引き締め効果や尿漏れ改善効果が期待できます。

yoniHIFUのもっとも大きな特徴は、照射口が面になっている点です。

従来のハイフは照射口が点状か線状になっているため、施術者の技術による仕上がりの差が出やすい傾向にありました。

しかしyoniHIFUは、照射口を面にすることでより広範囲に熱を伝えられる仕組みになっています。これにより、施術者によって仕上がりに差が出ることなくすべての施術で高い効果が得られるのです。

施術後はとくに注意すべきことなどはありませんが、施術中の痛みには個人差があります。痛みが不安な場合は、麻酔を使用できることもあるので、施術を受ける前に相談してみるとよいでしょう。

自宅でできるセルフケア

最後は、自宅でできる腟萎縮のセルフケアをご紹介します。

家庭用腟ケア器「yoniCARE」

「クリニックへ行くのは恥ずかしい」「腟レーザーや腟ハイフを受けたいけれど、費用が気になる」など、医療機関の受診をためらってしまう方には、自宅で簡単にデリケートゾーンのケアができる「yoniCARE」がおすすめです。

ここ数年、「フェムケア」という言葉が徐々に浸透してきましたが、yoniCAREはその代表的なアイテムです。

yoniCAREは、長年の研究の結果開発された家庭用腟ケア器。赤色レーザーと青色LEDライトを組み合わせて腟内に照射することで、不快な症状の軽減が期待できます。

以下は、yoniCAREを使用するメリットです。

• 腟の乾燥を緩和できる
• 自宅で使用できる
• 腟の不快感を和らげる
• 腟のゆるみをケアできる
• 腟内バランスを整えられる
• 産道のリハビリができる
• デリケートゾーンのにおいがケアできる
• 腟の老化をケアできる
• 腟のトレーニング効果が期待できる

自宅で週に2〜3回、1回10分程度使用するだけで、レーザーとLEDの波長により腟内が健康的な環境に整います。

yoniCAREは、使用中の痛みもないため、腟レーザーなどの痛みが不安な方も安心して使用できます。忙しい方でも手軽に腟内をケアすることが可能なうえ、繰り返し使用することで徐々に体の変化を感じられるので、ぜひ継続してみてください。

腟トレ

腟萎縮を予防・軽減するには、毎日の腟トレが重要です。骨盤底筋を意識して動かして筋力をアップすると、腟の血流改善につながり、腟の萎縮を予防できます。

やり方は簡単。お風呂で腟内に指を入れ、腟を持ち上げるように締めます。そのとき、指が引き上がるよう、骨盤底筋を意識することが大切です。

また、お風呂上がりにはデリケートゾーン専用の保湿剤を使用して腟周りをたっぷり保湿すること。外陰部など外側もしっかりとケアして潤いを取り戻します。

保湿剤をつけた指を、腟内に第二関節くらいまで入れて内側をぐるっと一周押しましょう。そのとき、こっているような感覚があれば優しくほぐすようにマッサージします。

そのまま肛門あたりもマッサージ。クリトリス部分から小陰唇、大陰唇へと腟周りを優しくマッサージしましょう。

まとめ

以上、年齢に伴う腟萎縮の治療法についてご紹介しました。

腟萎縮は、年齢を重ねた女性であれば誰でも起こる可能性がある腟の老化現象です。かゆみや性交痛などさまざまな症状が起こるため、日常生活に支障が出る可能性もありますが、年齢のせいだから、恥ずかしいからといった理由で受診しない方も多くいます。

また、デリケートゾーンの不快な症状が治療できることすら知らない方も多いのが現状です。

現代では、腟萎縮に伴うかゆみや痛みなどの不快な症状に対し、手術をしなくてもレーザーで気軽に治療ができるようになりました。

人にはなかなか相談しにくいお悩みではありますが、ひとりで抱え込まず、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。